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デジタル・ガバメントに関して整理してみた(2)

デジタル・ガバメントに関して整理してみた(1)の続きです。

≪復習≫そもそも、行政手続きの方向性は

1)デジタル行政推進にあたり、利用者中心のサービスを作っていく。その原則は以下3点。

①デジタルファースト②ワンスオンリー③コネクテッド・ワンストップ

2)【マイナポータル】は、マイナンバーを利用したサービスで、官公庁のみならず民間サービスともAPI連携をしていきサービス拡充が目指される。

3)【gBizID(法人共通認証基盤)】は、法人番号を活用した法人向けの手続きに利用される認証システムで、この部分も官民とも有効にデータが活用できるような仕組みづくりをしている。

デジタル手続法(デジタルファースト法)

では、そもそも論から枝葉に移りましょう。

デジタル手続法は

「情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律」

が正式名称のようです(ヒャッハー!ながーい!)。2019年5月公布。

行政手続オンライン化法、住民基本台帳法、公的個人認証法、マイナンバー法等が改正され、デジタル・ガバメントの目指す“デジタルファースト/ワンスオンリー/コネクテッド・ワンストップ”の行政サービスを実現するための一連の法改正の動きをデジタル手続法、と総称しているようです。

電子申請の義務化(2020年4月~)

デジタル手続法以前に、厚生年金保険法の改正(2018年12月)、雇用保険法・労働保険徴収法の改正(2019年3月)によって、特定の法人には手続きの電子申請が義務化されました。

2020年4⽉から特定の法人について電子申請が義務化されます(厚生労働省リーフレット)

このリーフレットにあるように、対象となる特定の法人は「資本金が1億円以上の企業」で、以下の手続きについては「電子申請must」ということになります。

健康保険/厚⽣年⾦保険
○被保険者報酬月額算定基礎届
○被保険者報酬月額変更届
○被保険者賞与支払届
労働保険
○継続事業(一括有期事業を含む。)を⾏う事業主が提出する以下の申告書
・年度更新に関する申告書(概算保険料申告書、確定保険料申告書、一般拠出⾦申告書)
・増加概算保険料申告書
雇用保険
○被保険者資格取得届
○被保険者資格喪失届
○被保険者転勤届
○⾼年齢雇用継続給付支給申請
○育児休業給付支給申請
総務の年間スケジュールから考えると、電子申請への対応順は
4月~ 雇用保険(入退社、高年齢者や育児休業者の給付金申請)
4~5月 決算賞与や期末手当を支払う場合は、健康保険・厚生年金の賞与届
6~7月 労働保険料の年度更新(毎年7月10日前後に締め切り)
6~7月 健康保険・厚生年金の算定届(毎年7月10日前後に締め切り)(※月額変更届がその前にくる場合もあり)
といった感じでしょうか。
4月のハローワーク適用係は殺人的に混みますから、大企業が電子申請をすると少しは混雑が緩和されるかもしれないですね。
同じ入退社の手続きでも、雇用保険⇒義務、健康保険・厚生年金保険⇒義務ではないと扱いが異なっています。健康保険は、健保組合の資格確認などで各組合ごとに手続きの添付書類が異なるなど、健保組合側の電子申請対応が難しいところがありますからね、今でも社労士泣かせな部分です。AIが入り込んで資格確認業務が機械化した暁には、政府から頒布プログラムを健保組合に公開し、晴れて全面的な電子申請化が果たされていくのでしょうか。
なお、ここでの「電子申請義務化」は従来のe-Gov方式(ソフトウェア利用を経由する方式含む)ならびにgBizIDを利用した新方式を指すものと考えられます。
gBizIDを用いた届書作成プログラムは2020年4月(つまり申請義務化と同じタイミング)で公表される予定で、漸次、e-Gov方式からgBizIDを利用する方式に切り替わり統合されていくのかもしれません。

マイナンバーカード、マイナポータル

マイナンバーカードについては少し過去を振り返りつつ、時系列で整理していきましょう。

マイナンバー制度導入後のロードマップ(案)R元.9月現在(内閣府公表)

2013年5月
マイナンバー法成立

2015年10月
マイナンバー通知カードにより個人への通知開始

2016年1月
マイナンバー運用開始
マイナンバーカード交付開始
雇用保険被保険者資格取得届など一部手続きにマイナンバー記載開始

2017年1月
マイナポータルアカウント開設開始
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届など一部手続きにマイナンバー記載開始

2018年1月
預貯金口座へのマイナンバー付番開始(義務ではない)

2019年5月
デジタル手続法成立

2019年度から
各種サービス連携のためのAPI提供を順次開始

2019年12月現在←今ここ
マイナポータルでできること(子育て支援サービス、介護サービス、被災者支援手続きなどの検索や電子申請)

2020年4月
マイナンバーカードの健康保険証利用はじまる予定

2020年5月
マイナンバー通知カード廃止予定

2020年9月以降
マイナンバーカードでポイント還元制度スタート予定

2021年3月
マイナンバーカードの健康保険証としての本格運用開始予定

2021年4月まで
法人設立全手続きのワンストップ化
従業員の結婚・引越しなどにともなう社会保険・税手続きワンストップ化

2021年10月
マイナンバーカードがお薬手帳の機能を持ち始める予定

法人共通認証基盤、gBiz(ジービズ)

※参考URL:gBizID

デジタル手続法の項で触れた令和2年4月から、無料で取得可能なID・パスワード(GビズID)で電子証明書がなくても電子申請が可能になります!(厚生労働省リーフレット)にも記載されていますが、gBizIDは無料でアカウント作成ができます。

これまでの電子申請では有料の電子証明書が必要でしたが、それがタダになります!(※別途、印鑑証明書発行費などは必要)

◆gBizIDにはさらに「エントリー」「プライム」「メンバー」というアカウント種別があります。

・エントリー:単要素認証 即日発行可
・プライム:法人の代表・個人事業主としてのアカウント(2要素認証)
・メンバー:法人の従業員などを対象としたアカウント(2要素認証)

◆アカウント種別毎の申請可能な手続きについては、2019年12月現在、不明。
おそらくほとんどの手続きは「プライム」もしくは「メンバー」にて申請するのではないでしょうか。ワンスオンリーを標榜するのであればIDはできる限り統合して運用した方がいいのに決まっているのに、わざわざエントリーとプライムに区分し、何のために「エントリー」という受け皿を用意したのか意図がよくわかりません。

◆gBizIDサイト内には委任申請のフォームが用意されています。
法人が社労士や税理士など社外専門家に手続き業務の委任をしている場合、おそらくここから社外専門家が手続きできるようになると思われますが…制度詳細の発表が待たれます。

◆現在、アカウント申請受付中。2019年12月現在、gBizIDプライムアカウントの申請が混みあっているとのこと。
のちほど私も申請してみて、どんな感じかレポートします♪

おわりに

今回のこの記事をまとめる中で痛感したのが「行政の縦割りによる弊害」。

内閣府~経済産業省~総務省~中小企業庁~厚生労働省…と、ソースによる裏付け作業がしんどいのなんのって。もうこんな思いをするのはいやなので、今後は情報感度をあげリアルタイムでニュース等の深読みをしていきたいとつくづく思いました。

 

デジタル・ガバメントの構築によりデータベースがクラウド上に構成され、行政側も利用者側も一元的な情報管理が可能となります。それは、より適切に各種アカウントやマイナンバーカード内の電子証明の管理をしていかないと、情報漏えい事故の影響が甚大なものになってしまう危険性が生じるということを意味します。

しかし、広い守備範囲の管理は会社にとっても個人にとっても負担が増します。

現在マイナンバーは“特定個人情報”として、個人情報より厳格な安全措置をはかることとなっていますが、実際は12桁の数字の羅列(=マイナンバーそのもの)のみが外部に知れたところで、何も実害は出てこないというのが現実です。

リスクを正確に知りセキュリティに関する誤解を解き、中小企業でも身の丈にあった適正な情報管理ができるよう、また法改正に適時対処できるよう、今後も研鑽をしていきたいと思っております。

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