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厚生労働省から指針発表ーパワハラ防止に必要なこと(2)

厚生労働省から指針発表ーパワハラ防止に必要なこと(1)の続きです

はじめにーいじめ≠パワハラ

≪前回のあらすじ≫~パワハラ防止に必要なのは、皆で「さわやか3組」を観ることです!~

しかし「さわやか3組」は小学校の一クラスを舞台としている点で、“いじめ防止”には役立つかもしれませんが“パワハラ防止”まで役立つかと言えば、無理があります。そりゃそーだ。

職場には、上司・部下といった力関係があります。同じ年の同級生ばかりが集まっているのとは違います。

職場では、関係性を絶つことが許されない場面があります。同級生のクラスの中では、合わない人がいればその人と卒業するまで付き合わなければ済みますが、仕事でそれをやるわけにはいきません。

前回にも書きましたが、パワハラ対策は「職場環境の整備」「労働問題の予防」といった観点で取り組まないといけません。相性のよくない社員たちをそのまま放置していて、パフォーマンスがあがるのであればいいのですが、多くの場合はパフォーマンスが下がる一方です。問題は当人たちのみにとどまらず、周囲にも影響を及ぼします。

“腐ったみかん”は取り除かないと…!です。

パワハラ新法に関するおすすめ図書

ここで、パワハラ新法に関するおすすめの本を紹介します。(組織心理学など不得手な部分が多々ありますので、私も勉強が必要で、必要に駆られて読書や情報収集してます)

『上司が委縮しないパワハラ対策ーパワハラ新法への上手な対応』(加藤貴之著・日本法令)が良書だと思います!

「どこまでがパワハラでなく、どこからがパワハラなのか」といったミクロの視点ばかりではなく、組織マネジメントの視点からパワハラの問題点をわかりやすく論じており、また人事担当者としてはどのように対応策をすすめるかの具体的な手順も示されていて、経営者の方にも総務人事担当の方にも一読をお勧めします。

私が目から鱗が落ちたと感じたのは次の部分です。

★パワハラは、「下から上への情報伝達」を減らす


パワハラを受けるのは、主に部下・後輩ですから、部下・後輩が上の人とのコミュニケーションを減らすことがわかります。つまり、パワハラを受けると「上方向へのコミュニケーション」がますます減り、上方向に情報伝達がされなくなるということです。

『上司が委縮しないパワハラ対策ーパワハラ新法への上手な対応』p96~99

あぁそうか、パワハラは個人間の問題にとどまらず、情報伝達に不完全さを起こし組織としての問題を生じさせると捉えるのが適当ということなのか、という気づきがありました。“組織における情報管理”という文脈でパワハラを捉えなおすと、より根源的な部分から対策を考えていけそうです。

パワハラは一方的なコミュニケーションが原因となっている場合がほとんどであるということ、これはつまり、SYNコネクトしないままパケット送信し続けると、クライアント側(部下)はオーバーフローでダウンしちゃうってことだ。パワハラってつまり、上司から部下へのBOF攻撃だ。そうするとなぜ、上司はクライアント側が返せないパケットを送り続けるのか?上司と部下の通信プロトコルが違うのかな、もしかすると上司がボット化しちゃったのかな?

…まぁ、こんな感じにパワハラをてきとーにネットワーク障害に当てはめてみると、ちょっと面白い気付きが得られるかもしれないな、と。あとは私が個人的に深追い(という名の妄想)を楽しみます。

パワハラ防止に必要なこと②

パワハラ防止に必要なこと、対応策を簡単に表せば【適切な教育・指導方法をとること、見える化への努力】ということになるかと思います。ポイントは4点。(あとで見直してこの4点からさらに増えるかもしれませんが、現時点では4点とします)

【適切な教育・指導方法をとること、見える化への努力】

①(新法対応への大原則⇒)ルール化する
②情報の流れを意識すること
③上司への教育ばかりでなく、部下への教育も必要
④指導記録をつけること

①ルール化する

経営トップの方針表明、就業規則の整備・見直しが必要になります。

経営トップの方針としては「わが社は断固としてパワハラを許さない」的な。どんなことでも、会社の方針は社長自らが“自分の言葉”で語ることが必要となります。(それは私のような、経営者を支える側の外部の人間ができることではありません。入れ知恵はできても、実行はできません)

また、パワハラを行ってしまった社員への処分などのルールを明確にするために、就業規則に必要事項を記載し、社員に周知することもパワハラ防止対応の大原則のひとつです。

②情報の流れを意識すること

前段で述べたように、パワハラがあると下から上への情報伝達が減ることになります。経営者や上司としては、現場からあがるリスク情報を知り先手を打ちたいと考えているのに、パワハラが横行している職場で部下が委縮していると、いやなニュースを上司にあげにくくする雰囲気が出来てあがってしまいます。

取返しのつかないところへ来て顧客からのクレームが爆発したり、若手の社員が「精神的苦痛」などを訴えて労働問題を起こしたりなど、もっと小さなところで火消しをすれば何ともなかった問題が手に負えなくなるほどまでに大きくなりかねません。

また、『上司が委縮しないパワハラ対策』にもありましたが、現在は【社内での風通しより、社員とネット社会での風通しがよい】状態になっているため、パワハラ被害を感じた社員がSNSで会社の悪評を投稿するかもしれません。パワハラではありませんが、最近の事例では“カネカ・育休後社員配偶者のSNS投稿問題”がありました。このような事態になると、会社のレピュテーションリスクは計り知れないことになります。

リスク情報を危険度が小さいうちに吸い上げるために、よりよい管理方法はどのようにあるべきかの対策を練ることがパワハラ対応策となります。

ちょっと違う角度からの参考記事:社員のSNS利用に関する労務・情報マネジメント

③上司への教育ばかりでなく、部下への教育も必要

多くのケースでパワハラ加害者となる上司はもちろんのこと、被害者となる「部下」への教育も必要となります。

前回、パワハラ防止の法制化で「雇用する労働者に対しパワハラ問題に関心と理解を深めさせること」が事業主に義務化されたと述べました。その観点からも教育研修は上司に限らず部下へも行うことが必要ですが、むしろ、適切に委縮せず上司が指導できるよう会社として環境を整える必要があるといえるでしょう。

 「私が傷ついたことは、すべてパワハラだ」と誤解している人もいますが、あくまでも業務との関連で決まります。「あなたとが傷ついたとしても、全部がパワハラになるわけではありませんよ」、「あなたが傷ついたとしても、正当な業務命令には、あなたは従わなければなりませんよ」ということは、研修などで伝えておく必要があります。

『上司が委縮しないパワハラ対策ーパワハラ新法への上手な対応』p77

④指導記録をつけること

前回記事「パワハラとは?」の中で、定義を【※客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、パワハラに該当しない。】としました。

適正な業務指示を行っている旨の客観性を持たせるため、記録をとることが重要です。いつ、どのような経緯で、どのような手法で、どんな内容のことを指導したのか、時系列で記録を残すことは、有事の際「言った・言わない」の問題を回避することができます。

また、文書にすることで上司の方は自分自身をある程度俯瞰できることが期待できます。「ちょっと言い過ぎたかな…」「このときはこう言ったから効き目がなかったかな…」など、よりよい指導の材料にもなります。

おわりに

以上、パワハラ防止に必要な対応策を4点に絞って書きました。

※実際は、ハラスメント相談窓口の運用方法など、ここに記載していない対応策がまだあります。ごめんなさい、現時点ではそこまで私の理解が進んでいないので書けないのです。。。

風通しのよい職場、よい情報も悪い情報も滞りなく流れる組織は、離職率がさがり、一般的に生産性の高い組織と目されています。職場環境を改善する合理的な職場のルールづくりについては、社労士などの専門家にご相談ください!

弊所では、「え~、パワハラ~?そんなの『さわやか3組』でも見せておけ!」と言うとか言わないとか…の社労士兼登録セキスペが、「法律ではこうですよ」にとどまらないアドバイスを交えながら相談業務に対応します。初回のご相談は原則無料で承っておりますので、ピンクのボタンのお問合せフォームからお気軽にアクセスしてみてくださいね。

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footnote/more information

参考書籍:『上司が委縮しないパワハラ対策ーパワハラ新法への上手な対応』(加藤貴之著・日本法令)

⇒戦前日本海軍で長時間の叱責により起きた戦艦「筑波」の事故(乗組員150名以上が死亡・行方不明となった)を題材のひとつとした吉村昭『陸奥爆沈』(新潮社)を取り上げたりと、加藤先生の広い見識をもとにした実効性の高いパワハラ対応策の詳細を解説くださっています。(陸奥爆沈も読んでみよう、同氏の『関東大震災』は読んで圧巻されたので)

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